今月頭に、鬼怒川で関東甲信越で外国人に関する事件を取り扱う弁護士を中心とした交流会が実施されました。
例年、初日にテーマに沿った勉強会を行うのですが、今年は外国人児童生徒の支援をテーマにしました。
日本に滞在する外国人は、目的に応じた「在留資格」を有しています。近年の入管法改正では、家族を連れて来日可能な特定技能2号の新設や、技能実習制度の廃止・新制度への移行など、労働者としての外国人の入国を推進する傾向がうかがえます。
これに伴い、未成年の外国人住民の人口も増加することが考えられますが、一方で学校側の受け入れ態勢は整っているとは言えません。
単純に人や設備が足りないというだけでなく、制度的にも不十分な状態にあります。
当然ですが、日本人であろうが、外国人であろうが、学校で適切な教育を受けられないことは、その後の人生に大きな影響を与えます。
ですが、外国籍の子どもは、義務教育の対象とみなされておらず、希望者だけが学校に通うことになっています。
これは、単に学習意欲のない子どもの通学の機会が失われるというだけでなく、両親が教育を軽視した場合には、一度も学校に通う機会なく育ってしまうことすら考えられるのです。
今はまだ、国内の外国人人口割合はそれほど多くありませんが、既に外国人が人口の10%から20%近くを占める市町村も存在します。外国人人口比率の1位から4位までは長野県、群馬県、北海道の郡部ですから、我々もけして他人事ではありません。
幸いにも、今月に入って栃木県が夜間中学の設置を検討しているというニュースが流れました。夜間中学は、通常の中学校の進度に合わせることが難しい外国人児童生徒や、教育を受ける機会を逸した外国人にとって、重要な選択肢になります。
我々が、地域の外国人とうまく共生していくためにも、教育の受け入れ態勢の持続的な拡充が望まれるところです。