日本の居住者世帯数は、少し古いが、平成20年の統計で人の住む居住世帯約5000万世帯、非居住世帯約800世帯である。非居住世帯は人が住んでいない住宅ですが、そのうち空き家が大部分です。空き家のうち、半分以上はアパートなど賃貸用の住宅でその他の住宅の大部分は個人所有住宅です。そして、この個人所有住宅空き家が高い伸び率を示しているのです。
また、単身者世帯の伸び率も著しく、世帯数に占める単身者世帯の割合が3割を超えており、しかも高齢者世帯の伸びが激しく、25年で4倍以上の伸びです。
日本の高度成長を支えてきたお父さんたち、やっと手に入れた念願のマイホーム、生まれた子供が受験を乗り越え成長、やがて就職し家を出て行きます。それまで手狭だった我が家も何故か広くなり、せっかく用意した子供部屋も使われなくなります。そして、お父さんたちの定年。夫婦二人だけの空き部屋の多い生活になります。
お父さんたちが高齢者施設に入り、あるいは亡くなれば、やがて自宅は空き家になります。親の遺産を相続した子供たちも一旦都会やよその土地に出て家族を持ってしまえば一部の例外を除いて実家に戻りたいとは思いません。放置された空き家は売ろうにも需要がなく手放せなくなります。それでも住宅メーカーは住宅やアパート、マンションを建て続けますから、空き家の増加に拍車をかけます。そのうち、空き家には近隣から苦情が出て取り壊しを余儀なくされるかもしれません。
このように構造的に生じる空き家問題の最終的解決は行政がやるしかないのでしょうが、個人個人が「そのうち」などと問題を先送りせず、機会を捉えて親子でよく話し合い、少しでもマシな人生が送れるようするしかないと思う今日このごろです。