今年9月初旬のこと、那須町高久乙というところの山道を散策していたところ、オレンジ色のキノコ4本を発見!な、なんと、あの「ちたけ」ではないか。
「ちたけ」は漢字で乳茸と書く。40代より高齢の方はわかると思うが、平成の初めころまでは、栃木県内各地でよく採れたキノコである。全国広しと言えども、何故か栃木県全域と群馬県の一部、茨城県の一部のみで珍重されるキノコである。そばやうどんの出汁にしたり、茄子炒めをすると珍味である。味わうとわかるが、カブトムシ臭がある。
最近、街のスーパーやデパ地下で「ちたけ」を見かける。大体が岩手県産だ。値段だけ海外産松茸に負けないほど高い。
さて、私が採ったちたけは写真のように明らかに「ちたけ」なのだ。しかし、何かが違う、・・・そう、「ちたけ」は乳、つまりミルク状の液体が出ないといけないのだ!この乳が「ちたけ」の旨味を引き立たせるのだ。しかし、この「ちたけ」は乳が出ないのだ。だから、「ちたけ」ではないというしかない。
この20年くらいの間に地球温暖化が急激に進んだようだ。「ちたけ」が採れる北限もどんどん上がり、今や山形県や岩手県、秋田県でしか「ちたけ」の群生を見ることができなくなってしまった。なぜ、わかるかって?採りに行ったからわかるのです。
今は、乳が出ない「ちたけ」しかなくなってしまった。温暖化、気候変動というものは明らかに自然環境を変えてしまったのだ。嘆かわしいことだ。
そのうち、「ちたけ」は、北海道でしかお目にかかれないキノコになってしまうかもしれない。