1 30年ほど前の話で恐縮だが、当時顧問弁護士を置くことは、よく言えばステイタス、口汚く言えば用心棒(古いか?)代りとしての意味が大きかったのだと思う。つまり、対外的な体裁に重きがあり、社内環境の改善とか労務管理とかコンプライアンスの整備といった目的で弁護士を置く会社は稀であった。労働組合があるような大きな会社はともかく、社長と従業員とは良い悪いはともかく、戦前の親子関係みたいなもので、力関係において両者間に対立が生じる余地などなかった。
2 現在はどうか。もちろん、会社にはさまざまな業種があるが、昨今のit 技術の進歩に伴い昔に比べ取引の範囲は飛躍的に拡大し、見ず知らずの相手と取引関係に入る機会が増えたように思う。また、聞き慣れない取引関係用語などに触れた時、法律の専門家である弁護士に契約書等の書面の作成、チェックを依頼する必要性も高まってきたように思う。また、従業員と会社幹部、上司と部下との間で発生する、パワーハラスメントを中心とするハラスメント等の問題、従業員の解雇の問題など、会社内部における深刻な法律問題も、真面目に業績を上げようとする会社ほど直面しやすい課題となってきているように思う。
些細な会社内部の問題であっても、対応を誤ると、当事者従業員はもちろん、他の従業員の志気を下げることになるし、業績が悪化したり、会社自体の信用を落とすことにもなりかねない。
いずれにしろ、会社の健全な運営あるいは危機管理という観点から、恒常的な弁護士の指導、助言、つまり、顧問契約の有用性は益々高まっている。
3 取引先が数十万円の売掛金を払ってくれないが取立ての仕方がわからない、いつ消滅時効にかかるのか、取引相手から契約書を出されたが当方に不利な内容かどうかわからない、社員にセクハラやパワハラの研修を行いたいがどうやればいいのかわからない、こんなとき、頼りになるのが顧問弁護士だ。
会社が遭遇する法律問題は千差万別である。これに対応する弁護士の法的サービスも百人百様、オーダーメイドだ。画一的に処理できない問題を解決するのが弁護士の真骨頂だ。これが、弁護士が社会生活上の医師と言われる所以である。
大きな紛争に発展する前に解決する、紛争を予防するのも弁護士の大事な仕事である。
また、従業員がプライベートな法律問題に直面しているとき、会社の顧問弁護士に相談ができる仕組みになっていれば、従業員にも安心感を与え、会社に対する信頼も増すことに繋がる。
詳しくは、当事務所のホームページをご覧いただきたい。
https://www.takagi-law.or.jp/documents/takagi-law-leaflet-front.pdf
https://www.takagi-law.or.jp/documents/takagi-law-leaflet-inside.pdf