弁護士の尾畑です。
今回は少し法律の話をしようと思います。
私は大学時代、せっかくなのであまり弁護士業務に関わらない法律も学んでみようと思い、ローマ法総論という講義を取っていました。
紀元前8世紀に建国された国の法律ですが,未だに多くの国に影響を与えています。
例えば,古代ローマの裁判は公務員である法務官と私人である審判人の協力によって成り立っています。訴訟をしようとするものは、まず法務官に依頼して、どんな場合に請求が認められるかを決めてもらい、その後審判人が事実関係を判断し、法務官が決めたルールにしたがって決定を下します。
海外ドラマなどを見る人はご存じかもしれませんが、このやり方は裁判官が適用する法を定め、陪審員が事実認定をするアメリカの陪審制度にかなり近いものです。
日本の場合は、明治維新の際にフランス法やドイツ法を導入しています。これらはかなり直接的にローマ法を継承発展した国ですから、日本の法律もまた、紀元前から続くローマ法の子孫ということになります。
さらに、最近ではカンボジア民法が日本の支援で制定されるなど、日本から拡散していった法体系もいくつか存在します。
法律問題は、あまり関わりたくないイメージがあるかも知れませんが、実は日本という国が形になるよりさらに大昔から人の生活に馴染んできたものなのです。
トラブルが起きないと意識されないだけで、普段の生活にも密接に関わっていますから、仲良く付き合っていくことが肝要です。