結婚間もない離婚といっても、法律上は2つに分けて考える必要があります。それは、婚姻届の提出がすんでいるかどうか、俗に言えば入籍前か後かの問題です。婚姻届を提出していないため、法律上の夫婦ではないが、双方が婚姻意思をもち夫婦として共同生活を営んでいる、事実上の夫婦関係を内縁といいます。法律上の結婚であれば、いかに期間が短くても、その別れには手続き・財産分与・慰謝料などの取り決めがありますが、事実上の結婚にとどまっていた場合は、言葉では「離婚」といっても、法律的には離婚ではなく「内縁の解消」になります。
内縁の解消は、事実上の離婚手続きといってもいいのでしょうが、法律婚の解消とは違い、協議離婚・裁判上の離婚の場合のような一定の手続きがありません。内縁は、一緒に夫婦生活をしているという事実が2人の基礎ですから、別れる意思で別の生活に入ってしまうと、それが内縁の解消になります。双方の合意、協議で別れる事が穏当ですが、一方がどうしても合意しない場合、事実婚は、戸籍上は何も記載されていないので、事実の終わりが、すなわち離婚になります。あとは、内縁を不当に解消(破棄)した者に対する損害賠償の問題となります。このように事実上の離婚自体は自由ともいえますが、正当な理由もなく破棄した場合は、損害賠償・慰謝料を支払う義務があります。ここでいう正当な理由とは、離婚原因(民法770条1項)と同じくらいの事実と考えてよいでしょう。また、内縁解消が一方当事者の帰責事由(貞操義務,同居協力扶助義務,婚姻費用分担義務違反等)によって生じたときは、他方は生じた損害の賠償を請求できます。
内縁を破棄された
- 婚約を破棄された
- 認知して欲しい