親権とは、未成年の子どもを養育・監護し、その財産を管理する権利・義務のことをいいます。監護権とは、未成年の子どもを養育・監護する権利・義務のことをいいます。親権には、「身上監護権」と「財産管理権」の2つがあります。
身上監護権
子どもの衣食住の世話をし、教育やしつけをする義務のことをいいます。
財産管理権
財産を管理する能力のない未成年にかわって法的に管理し、契約などの代理人になる権利と義務のことをいいます。
また親権には、
- 子どもの住む場所を指定する
- 親は必要な範囲内で子どもが悪いことをしたときに戒めたり罰を与えたりする
- 子どもが仕事をするときには、判断し許可を与える
といった内容も含まれています。
通常は子どもを引き取った親が親権者となり、日常的な世話・教育をし、監護者ともなります。最近では例外的に親権から身上監護権の子どもの世話や教育の部分の権利と義務を分けて、親権者と監護権者に分けることで解決をはかることもあります。子どもを引き取らない親が親権者となり、引き取った親は監護権者として子どもの世話や教育・しつけを行う形です。しかしこのように、親権者と監護権者を分離してしまうと、トラブルの元になり、子どもに悪影響を及ぼすことが懸念されるため、家庭裁判所が親権者と監護権者の分離を認めることは,ほとんどありません。また、離婚だけを先に行い、親権者の決定を後回しにすることはできません。未成年の子どもが2人以上いる場合は、それぞれ親権者を決めなくてはなりません。