30年の借地契約期間が満了しました。地主から借地契約を更新するなら、更新料を払えと言われています。地代もきちんと払っているのに、更新料も支払わなければいけませんか。
更新料とは、借地期間が満了したときに、その契約の更新に際して、借地人から地主に支払われる一時金のことをいいます。
更新料の法律上の支払義務はありません。借地契約で、更新料についての定めがなければ、地主から請求されても支払う必要はありません。更新料が、相当といえる金額であれば、更新料の支払いに応じて、合意による更新契約を締結するのが一般的ですが、更新料が不当に高額な場合は交渉の余地があるでしょう。
更新料はどういう性質のものか?
更新料の性質については、一般的には、不足賃料の一括前払いや、更新拒絶しないことについての対価などと言われます。
慣習として地主が更新料を請求することも少なくありませんが、借地契約の期間が満了しても、建物が存続している限り、地主に正当な事由がなければ借地契約は同一条件で法定更新されるので、更新料を支払わなければ借地契約が更新されずに終了するということはありません。
判例では、地主の請求があれば当然に更新料支払義務が生ずる慣習法は存在しない、と判断されていますし(最判昭和51.10.1)、借地契約の内容に更新料の支払いが含まれている場合でも、その金額が法外なものであれば無効となることもあります。
したがって、更新料支払の合意がないときは、地主から請求されても借地人に更新料支払の義務が生じるわけではありません。但し、更新料支払の合意をしたときは、その金額が法外なものでない限り、支払合意は有効と考えられています。
なお、更新料の金額・相場は、借地契約で、具体的な金額や算定方法が決まっていれば、それに従います。ただし、賃借人に一方的に不利な内容であれば、無効となる可能性があります。「当事者双方の協議に基づき金額を決める」等の約定がある場合は、協議により決定しますが、更地価格の3~5%が一般的です。
地主から更新料を請求された場合の対処方法
地主である賃貸人から一方的に更新料の支払いを求められても、支払う必要はありません。まずは、借地権の契約に、更新料に関する特約があるかを確認することが第一です。仮に特約がなくとも、支払を一切拒絶することが常に適切とはいえません。賃貸人との関係は長期にわたり続くので、賃貸人との協議の中で、円満な更新のために合意を図ることも重要です。
高木光春法律事務所のサービス
高木光春法律事務所では、更新料に関するトラブルについても対応しています。更新料に関するトラブルは、賃貸人と賃借人の関係を悪化させがちです。当事者だけの話し合いによらず、間に弁護士が入ることでスムーズに合意に至ることが期待できます。更新料を巡るトラブルでお困りの際は、高木光春法律事務所にご相談ください。