ChatGPTは、対話型生成AIであり、第1の機能は、文章の自動生成機能である。第2の機能は、機密漏洩を防止する仕組みを設定することである。第3の機能は、業務を分析し置き換え可能な部分を生成AIに置き換えることである。
企業の業務には、定型的にできる部分と臨機応変に前例のない状況で判断を迫られる部分がある。この定型的な業務の例としては税務が挙げられる。e-TAXのフォーム入力により税額計算ができる。誰がやっても同じ結論が導かれなければいけない。
では、裁判で生成AIを使うことはできるか。
もちろん、今までこういう裁判例があるからこれと似たケースにはこういう結論が妥当である、程度のことは言える。しかし、個別の人間の紛争はそれぞれ状況や利害関係等が異なりまったく別の姿を見せる。いくら、実績の積み重ねがあるとはいえ、個別の事例について機械的に結論が出るということはあり得ないし、人間の紛争を機械的に処理することは不合理である。別に、裁判は、裁判官という人間がやるものと法律(憲法)で決まっているから生成AIがやってはいけないというのではなく、定型的な処理は裁判にはなじまないのである。但し、生成AIによって判例という形で過去の事例を集積し裁判の補助的機能を持たせることは有用である。