事務局ブログ/夏の名残 栃木市立美術館にて

ごきげんようジムカタです。ここ数日来、気が付けばすっかり秋の気配。酷暑にげんなりしていた日々が嘘のように、虫の音を楽しむ心の余裕が出てきます。本格的に終日寒くなる前のこの時期は近年特に短いですが、私にとってはお気に入りの長袖の薄手ブラウスを着たり、重ね着をしたりとファッションを楽しむことも出来る、貴重な季節です。

また、「食」を楽しむ季節としては言うに及ばず。我が家では先日、お待ちかねの新米を栗ご飯で頂きました。日本の食文化を愛してやまない時間です。

さて先日、栃木市立美術館にて企画展『夏にたのしむ器 竹のかたち×陶のいろ』の鑑賞をして参りました。今回の企画展は、「夏にたのしむ器」をテーマに、館の収蔵品を中心に竹の花籠などの形、陶磁器に装飾された色に注目したとのこと。私としては特に、事前に写真で見ていた茶碗や水滴の実物の色や形を愛でることを主眼に赴いたのです。

実物は時に想像を超えてくるものですが、今回もそれを思い知る作品の数々に出会いました。中でも私の目を惹きつけたものは、加藤土師萌作『釉裏金彩波千鳥文茶碗』。金箔の上に描かれた緑色の波模様の色のコントラストが実に鮮やか。また茶碗の中に描かれた千鳥が、お抹茶を点てた際にはその波の上を飛んでいるように見える演出にも心憎さを感じました。こちらは館所蔵品のため、今回の企画展以外でも鑑賞することが出来るでしょう。

陶磁器は飾っても良し、使っても良し。特に日常で使う器は、生活に心の潤いをもたらしてくれます。私も先日ご縁があって購入したばかりの織部(深みのある暗緑色)の小鉢に早速何を盛ろうかな?お芋の炊いたのが良いかな?などと想像しては、残暑(初秋)の暮らしを楽しんでいます。

 


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