配偶者との同居が耐えられなくなり、別居を開始し離婚の要求をしたが、相手が全く離婚をする意思もなく、離婚事由もないため裁判離婚ができずに時間だけが経過しているというケースも多くあります。
そのような場合でも、別居期間が長期間に及ぶと、婚姻共同生活を回復する見込みがないものとみなされ、離婚が認められる場合があります。
別居の期間については、「夫婦が5年以上継続して共同生活をしていないこと」として挙げられています。これは破綻主義の立場から、夫婦の共同生活の不存在を結婚破綻の客観的かつ典型的なしるしとみて、それが5年以上継続した場合には、裁判上の離婚原因として認めるものです。
ただし、同居期間の長さ・別居に至った理由や子どもの有無(未成年の子どもがいるような場合)・経済的事情・別居後の状況・離婚請求する側の有責性の有無などさまざまな事情が考慮されて、2・3年程度のより短い期間でも性格の不一致のように、夫婦とも別居に至るにあたっての責任が同等な場合には離婚が認められることもあれば、8・9年程度のようなより長い期間別居していてもその間生活費を送金していなかった場合には離婚が認められないこともあります。