ゴールデンウィークはいかがお過ごしでしたか。私は、少し時間が取れたので、実家に帰省することができました。
ふと思い立って、中学生の時分に祖父から貰った記念硬貨を確認していたところ、「裁判所百年」の記念硬貨が見つかりました(左側。右側は「内閣制度百年」)。
受け取った時もどんなものがあるかは見たはずなのですが、どうも記憶に残っていません。当時はこのような仕事に就くとは考えてもいなかったからでしょう。
祖父の遺品の中から現在の自分に繋がるものを見つけ、たいしたことではないのですが喜ばしい気持ちになりました。
ところで、この記念硬貨を見た際に、平成2年(1990年)に裁判所百年というのは新しすぎないか、と少しの違和感。というのは、大津事件(1891年)で有名な児島惟謙が、8代目の大審院長だからです。
確認してみたところ、司法省から大審院が独立したのは1875年。しかしながら、大日本帝国憲法が1889年に公布され、これに沿って裁判所構成法が施行、三審制の裁判所の組織が作られたのが、1890年。そこから数えて百年のようです。
一方、この当時まだ弁護士は存在しませんでした。当初の裁判所で働いていたのは「代言人」と呼ばれる方々。裁判所構成法に遅れる事3年、1893年に弁護士法が制定され、我が国に「弁護士」という職業が生まれることになります。