訴訟で判決が出たり、和解に至ったり、民事調停がまとまった場合でも、相手方が支払いに応じてくれるかは分かりません。相手方が当初から支払う意思が全く無かった場合などは、強制執行で回収を図る可能性が高いと言えます。
相手方が支払わない場合には、強制執行手続を行います。強制執行には、大きく分けて、不動産執行、動産執行、債権執行の3種類があります。
不動産執行は、債務者の不動産の差し押さえをし、不動産が売却された価格から一定のルールに従い配当を受けることにより債権の回収を図るものです。動産執行は、同じく債務者の動産を差し押さえ、動産が売却された価格から一定のルールに従い配当を受けることにより債権の回収を図るものです。債権執行は、債務者が第三者(第三債務者)に対して有する債権を差し押さえ、第三債務者から支払いを受けることにより債権回収を図るものです。債権執行の中心は銀行預金の差押えが中心となります。銀行預金を差押えれば、回収すべき金額の範囲内である限り、差押時の預金残高をそのまま回収することができます。
これらの手続きは、方法の選択、タイミング等、専門的な判断を必要としますし、時間との勝負であるので、いち早く弁護士に依頼して手続きを取ることをおすすめします。
なお、不動産や動産が、手続き中に売却されてしまったり、預金が引き出されてしまうこともあります。そのような場合に備えて、訴訟の前に財産の保全処分(財産を仮に差し押さえたり、財産の処分を禁止する)を取っておく必要があります。
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