新たに従業員を雇用する際の注意点は?

・従業員の求人募集をするには,原則として年齢制限はできません。

ただし,これは企業の努力義務を定めたものですので,例外的に相当な理由があれば,特定の年齢層の者だけを求人募集をすることができます(雇用対策法)。

・募集・採用については,「事業主は,労働者の募集及び採用について,女性に対して男性と均等な機会を与えなければならない」としています。指針で,①対象から男女のいずれかを除いたり,②条件を男女で異なるものとすること,③能力や適正を判断するための試験のやり方を男女で変えたり,④男女のいずれかを優先的に採用したり,⑤求人説明等について対象を男女どちらかに限ったり,時期を男女で変えたりすることが禁止されています(男女雇用機会均等法)。

・求職者に誤解を与えるような虚偽の求人広告を出すと処罰されます(6ヶ月以下の懲役刑又は30万円以下の罰金刑,職業安定法)。

たとえば,営業職募集にあたり高額な歩合給を提示したり,親会社の名前や信用を使った求人募集などはひかえましょう。

・面接を行なったり,履歴書などを出させる場合は,必要な範囲で求職者の個人情報を収集・保管・使用しなければなりません。

・労働条件は労働契約の内容になるものですので,労働基準法では次に挙げる労働条件の明示が義務づけられています。

(絶対的に明示しなければならない事項)

① 労働契約の期間

② 就業の場所,従事すべき業務

③ 始業及び終業の時刻,所定労働時間を超える労働の有無,休憩時間・休日・休暇,労働者を2組以上にわけて交替に就業させる場合における就業時転換に関する事項

④賃金(退職金,賞与等を除く)の決定・計算・支払いの方法,賃金の締切・支払の時期,昇給に関する事項

⑤退職に関する事項

(その事項に関する事項を定めた場合には明示しなければならない事項)

① 退職手当の定めをする場合は,労働者の範囲,退職手当の決定・計算・支払いの方法及び支払の時期に関する事項

② 臨時の賃金等及び最低賃金額の定めをする場合は,これらに関する事項

③ 労働者に食事,作業用品その他の負担をさせる定めをする場合は,これに関する事項

④ 安全及び衛生に関する定めをする場合は,これに関する事項

⑤ 職業訓練に関する定めをする場合は,これに関する事項

⑥ 災害補償及び業務外の傷病扶助に関する定めをする場合は,これに関する事項

⑦ 表彰及び制裁の定めをする場合は,種類及び程度に関する事項

⑧ 休職に関する事項

(書面の交付により明示しなければならない事項)

① 労働契約の期間

② 就業の場所,従事すべき業務

③ 始業及び終業の時刻,所定労働時間を超える労働の有無,休憩時間・休日・休暇,労働者を2組以上の分けて交替に就業させる場合における就業時転換に関する事項

④ 賃金(退職金,賞与等を除く)の決定・計算・支払いの方法,賃金の締切・支払の時期に関する事項

⑤ 退職に関する事項

上記規定によって明示された労働条件が事実と違う場合には,労働者は,労働契約を解除することができます。この場合,就業のために住居を変更した労働者が,契約解除の日から14日以内に帰郷する場合には,使用者は,必要な旅費を負担しなければなりません。



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